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植物原料プラスチックの電子マネーEdyカード、崩壊の危機

SONY電子マネーEdyがスタートして間もない頃だったから、おそらく2000年か2001年だったと思う。1999年から始まったばかりの環境配慮型製品・サービスに関する展示会「エコプロダクツ展」に出店していたSONYブースでこの植物原料プラスチックのEdyカードを頂いた。

経年劣化。プラスチックカードの崩壊

普段は交通系電子マネーSUICAを使うので、Edyカードを使うのはせいぜい年に2回か3回くらい。自分の生活にEdyは必要ないといえる。

そんなほとんど使わないEdyカードを1年ぶりの出してみると、プラスチックカードの表面から細かな粉が‥‥。

印刷も削れて消えかかっている。

電子マネーのチップも露出し始めた。

経年劣化でせいで植物原料プラスチックが崩壊し始めたようである。

Edyカードの残金は1,074円だった。
崩壊する前に電子マネーの使ってしまおうと、Edyの使えるお店をチェック。
わが家の常備品レトルトカレーを2個買い、カフェラテを飲んで残金をすべて使った。

 

電子マネーのチップが露出し、プラスチックの粉が表面から出てくるEdyカードを前にして、「植物原料プラスチック」ってどうなのよ?と、モヤモヤ感がわいたので、自分のメモとして調べてみた。

植物原料プラスチック

「植物原料プラスチック」とは、植物などの再生可能な有機資源を原料として使用するプラスチック素材のことらしい。

従来の化石資源由来のプラスチック製品は燃やすと二酸化炭素を排出するが、植物が原料のプラスティックだと植物の成長過程でCO₂を吸収しているから、焼却処分されて二酸化炭素が排出されても、実質的に二酸化炭素を排出していないとみなすことができる(これをカーボンニュートラルと言う)。よって、植物原料プラスチックは二酸化炭素の差し引きで、環境負荷を抑えることになるっていうことらしい。
こういう差し引き論って、本気で環境問題に取り組んでるとは言えないんじゃないかと僕は思う。

生分解性プラスチック・・分解されて自然に戻る

そしてもう一つ。

植物原料プラスチックのなかでも使用後分解されて自然に戻るプラスチックとそうでないものがある。生態系に入ったときに微生物で分解されるプラスチックは「生分解性プラスチック」と呼ばれている。例えば、サトウキビなどから製造される植物原料プラスチックのバイオPEは生分解性が低いため「生分解性プラスチック」ではないそうである。一概に植物原料だから自然界で分解されて循環すると考えることはできないのか。

生分解性プラスチック」は最終的には水と二酸化炭素に分解されて自然に還る。最近問題視されている海洋プラスチックのごみ問題などの解決に貢献できるかもしれない。

そんな環境に優しい「生分解性プラスチック」も従来のプラスチックと混ぜると生分解性機能が失われるので決して混ぜてはいけないとのこと。自然界で資源を循環させるためには面倒だけれどやはり『分別』が大切なんだな。

いままで深く考えず、植物原料プラスチックは「環境に良さそう」なんて思っていたけどね。目の前で朽ちかけていく植物由来のプラスチック製Edyカードを眺めながら、環境に良さそうな製品を選択する前に、できるだけ余計なものは買わず、あるものを長く使っていくことが何よりも環境に優しいとあらためて思う。