2023年の夏はとんでもなく暑く、爽やかな朝はどこかへ行ってしまったのかと思う毎日でした。
かつてない暑さの夏も、最初のうちは迫り来る異常気象の現実に漠然とした不安を感じていたものですが、気温35度の日が毎日続くとなるとカラダは暑さに慣れ、気候変動の危機を憂慮することもなくなりました。慣れというのはなんと恐ろしいことか。
今年の夏は一度も多摩川の河川敷トレイルにはいきませんでしたから、先日久しぶりに出かけた多摩川はなかなか良かったですよ、と言いたいところでしたがとんでもない。背丈を超える草が生い茂り、トレイルのはずの小道はかすかに形跡が残っているような。悲しい状況でした。
おまけに多摩川の川筋が変わっているではありませんか!
やわらかな陽ざしを浴びて、のんびり釣りを楽しんでいる人のいたあの川の溜まりは消滅。河川敷の緑地帯へ続くアプローチも分断されていました。あまりの変わり果てた姿に悲しみが湧いてきました。
川へ下りる小道を見つけ、草をかき分けて川辺に出ました。
草で覆われているトレイルを走るのは諦めて、石でごつごつした水際の浅瀬の自転車ライドを楽しみました。
通常のオフロード自転車ではうまく走れない悪路を、タイヤの太い自転車「ファットバイク」なら快適に走れてしまうから不思議です。
多摩川の河川敷にはいろいろなものが朽ち果てています。
この日は見るのも哀れなモーターバイクが1台、多摩川の景色に溶け込んでいました。
アルミと鉄の錆びは見事なものでした。
ときどき自転車を降りて、河川敷の大きい石に座ってぼんやり川を眺めて過ごす。
そんな時間もなかなか良いものです。