2020年7月1日からレジ袋(プラスチックバッグ)の有料化が始まりました。
その目的はレジ袋の使用抑制を通して、資源の無駄遣いをなくし、海洋プラスチックごみ問題や地球温暖化対策への取り組もうというもの。日本政府もようやく地球環境問題に重い腰を上げたのかと思いきや、レジ袋を使用禁止するわけでもなし。「レジ袋もあります。お金払ってくれたら使ってもいいよ」という、なんとも中途半端な政策でした。
「プラスチックごみ」のこと
ちょっと調べてみました。
全体のプラスチックごみのなかで、レジ袋の占める割合はなんと1.7%。
2パーセントにも満たない。思いのほか少ないです。
*調査は京都大学の方々が2017~18年に実施した数字です。レジ袋のひとりあたりの年間使用枚数は約150枚。大雑把な日本の人口一億人で年間で150億枚。レジ袋1枚の重さを10グラムとして年間15トン。プラスチックごみの年間総量が約900トンなので、レジ袋が占める割合を見積もると、1.7%になります。
日本の「プラスチックごみのリサイクル率」84%
*一般社団法人プラスチック循環利用協会『プラスチックリサイクルの基礎知識2020』を参照しました。
プラスチックごみのリサイクル率84%の内訳は次の通りです。
23% マテリアル・リサイクル(材料リサイクル)
4% ケミカル・リサイクル
57% サーマル・リサイクル(エネルギー回収)
サーマル・リサイクル?
この三つの『プラスチックリサイクルの手法』のうち、プラスチックごみを燃やして、熱エネルギーとして回収するという手法なのが「サーマル・リサイクル」です。ごみを燃やしちゃう。「リサイクル」というのには、ちょっと苦しいんじゃないですか?と思っていましたが、国際的にはこのサーマル・リサイクル、「リサイクル」とは言わないようです。
燃やさないでリサイクルしているプラスチックごみは
27%です。
これはなんとも残念な数字です。
プラスチックゴミ削減の手段はやはり、プラスチック製のパッケージや製品はできるだけ使わない。買わない。そんな生活の徹底なくしては、有効な環境対策の実現にはつながらないんでしょうね。
使用済みフラッグからアップサイクルバッグ
前置きが長くなっちゃいましたが、レジ袋有料化で注目されることになった「マイバック」「エコバック」。
僕らは2004年から『捨てられるゴミからバッグを作る』というアップサイクル・プログラムに取り組み始め、使用済みのフラッグからリサイクルバッグを製作しています。
「エコバッグに関心が高まっているけど、今までにうちはどれくらいの数のアップサイクルバッグを作ったんだろうね?」と、ミーティングでリサイクルバッグのことが話題に上りました。
それでは数えてみようと。さっそく2004年から2019年までのデータを集計。
*データは複合商業施設「ゲートシティ大崎」さんとのアップサイクル・プロジェクトのものです。
★廃棄しないでリサイクルした使用済みフラッグの数★
4,561枚 (702キログラム)
★使用済みフラッグから作ったバッグの数★
8,536個 (123種類のデザイン)
「塵も積もれば山となる」です。
製作したアップサイクルバッグの合計数を見て驚きました。
捨てられる運命のものが新しい価値と共に生まれ変わる「アップサイクル」。これはとても楽しいプロジェクトです。思わぬ発見もあります。想像しなかったカッコいい製品が生まれることもあります。それに加えて、資源やエネルギーの無駄をなくすことにも効果を発揮します。
僕らのアップサイクル・プロジェクトは今も継続中です。過去のアップサイクルの取り組みアーカイヴをときどきブログで紹介しますので、よろしくお願いします。
無駄な消費が地球の環境悪化につながる。
捨てられるものを価値あるもの再利用。
あなたにアイディアがあれば、アップサイクルはすぐ始められます。
とりあえず気軽にアップサイクルを楽しみましょう!
*アップサイクルに関するいろいろな記事は555nat.comのウェブサイトで。問い合わせも。 → 555nat.com