昨年秋、友人宅の庭でオニグルミを拾った。表面の果肉を水洗いして自然からのお裾分けをいただいた。
このクルミは好物のクルミとレーズンの焼きたてパンの貴重な食材になっている。
パンに使うクルミがなくなると、僕に「クルミ割り」の依頼が入る。
「クルミ割り」は男の仕事である。
オニグルミは硬い。
クルミをじょうずに割る要領を得るまで、ずいぶん苦労した。
尖がった頭部分を上にして、硬いコンクリートか石を台にして乗せる。
クルミの下の方にそっと手を添え、クルミを支える。
尖がり頭の真上からカナヅチを振りおろす。
何度か繰り返すと、クルミは左右真っ二つにパカッと割れる。これが理想である。
手を叩いてしまわないように慎重に叩かなければならない。
クルミを割り終えたら、クルミの殻から実を取り出す作業である。
これがなかなかの手間である。
細い金属製のキリを使って、苦労してクルミの実を取り出すわけだが、その量が思っていたよりもかなり少なくても決してガックリしてはいけない。
脂ののった東京産の無農薬無肥料の天然クルミ。
味は格別だし、自然の恵みを何よりも実感できるのだから。
今週あたり、クルミ割りの依頼がありそうである。
オニグルミのストックがなくなるまで男の仕事「クルミ割り」は続く。