Holoholo Diary 555blog

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SAM'S BIKE サムズバイク 松浦修 3.13

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Sam's Bike 松浦修 ©2021 HILO Mrmt

サムズバイク 3.13

2021年3月13日。札幌月寒の自転車店『SAM'S BIKE』サムズバイクの松浦さんが旅立って5年。

松浦さんと初めて会ったのは1980年代、東京のサイクルショーの会場だった。今はなき東京世田谷用賀の自転車専門店『BMXリオ』蒔田さんから紹介された。

BMXリオの店長だったか、まだお客さんだったか、どちらか忘れてしまったけれど、松浦さんとは同じ北海道出身、同じ20代で年齢も近かったこともありすぐ仲良くなった。昔から仲間だったような親密感もあった。そのときから長いつき合いが始まった。

1980年代後半、別々ではあったけれど、僕らはアメリカのサイクルショーに渡米していた。そして二人ともアメリカンバイクカルチャーの魅力にすっかり感化されてしまった。1980年代のアメリカの自転車シーンといえば、トライアスロン、BMX、マウンテンバイク、バイクメッセンジャーなど新しい自転車ムーブメントがどんどん生まれてきた時期だ。毎年、斬新な新製品が続々とリリースされた。現物の新製品を見る楽しみはもちろんあったけれど、それを作る新興メーカーの創業者やデザイナーやエンジニアたちのユニークな発想と創造力、そして個性的な人柄に強く魅かれた。それは松浦さんも僕も同じだった。あの時のカルチャーショックといったら、あの時の世界観を引きずったまま今に至っているのだ。

松浦さん自身のブログ『room36』ではそんな彼の人生観、魅力的な人柄を感じることができる。アメリカンバイクカルチャーに関心のある方にはぜひ。 → room36

電動アシスト・ファットバイク雪上試乗

札幌にサムズバイクがあるのは北海道出身者の自分にとっては、とてもありがたい。帰省したついでに立ち寄れる気軽な場所があるのはありがたいのだ。

去年も北海道の実家に行った帰りにサムズバイクに立ち寄った。その日は定休日だったけれど無理を言ってお邪魔させていただいた。

店主の奈美ちゃんあいかわらず太陽のように元気で輝いていた。いつも明るい彼女にあいさつをして、松浦さん写真に「元気かよ?」と声をかけた。

お店にちょうど試乗用の電動アシストのE-ファットバイクがあった。試乗しないわけにはいかず、ちょいとお借りして対面にある公園で試乗。

2020年2月の札幌はちょうどいい具合に新雪が積もったばかり。新雪の上、ペダルを踏んで漕ぎ出す。想像していたペダル荷重の抵抗感はなく拍子抜け。スーッとスムーズに発進した。思わず笑いがこぼれるほどの快適さにビックリ。初めて経験するE-ファットバイク走行はめちゃ楽しいじゃないの。電動アシストの操作(ペダリングとハンドリングと荷重バランス)に慣れてくると雪の上をすべるように走ることができる。いやぁ~、太いタイヤの雪上電動サイクリングは新しい遊びだわぁ~。

気がついたら、あっという間に1時間。雪の公園で遊びすぎてしまった。

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松浦家ストーリー

試乗から戻り、試乗車を返し、奈美ちゃんに店を閉めてもらった。それから自宅におじゃまして、仏前にお参りした。

松浦さんのお母上と会うのは初めてだった。同じ北海道開拓民の末裔という遺伝子の影響なのか、親戚の家にいるような居心地の良さがあった。三人で松浦さんの思い出話。自分の親の年齢と近い母上の語る、僕の知らなかった松浦さんの話は優しく、懐かしさを感じるものだった。

松浦家の歴史は新鮮で面白かった。誰の人生にもストーリーがある。北海道へ渡ってきた人々ならなおさらだ。多様で興味深い話が多い。

松浦さんの父上はサムズバイクの場所で盆栽屋を営んでいた。たくさんの盆栽を世話していたらしい。盆栽は商売になっていたそうだ。北海道札幌で盆栽屋さんとはなかなかの変わり者だったのではないか。

母上はシンガー(歌手)だった。実家は電気屋さん。当時はレコードも売っていたそうな。そんな家庭環境からか、音楽学校に通い、ラジオやステージで歌っていたという。演歌からシャンソンまでレパートリーは幅広く、自身のレコードも出していたというからすごい。立派なオーディオセットの隣のラックにはもちろんそのレコードが大切に保管されている。

お茶とお菓子をごちそうになりながら1時間ほどそんな話を聞いた。松浦修を形成したルーツに触れ、心安らぐ心地よい時間を過ごすことができた。次回おじゃまするときはどんな面白いエピソードが聞けるのだろう。楽しみだ。

SAM’S BIKE 30周年! 1991-2021

サムズバイクの3月は忙しい。

2021年3月21日はサムズバイクの創業30周年なのだ。

20日と21日の二日間、大感謝祭が執り行われる。

松浦さん亡き後のサムズバイクはオサム精神を継承しつつも、新生サムズバイクの若いDNAとナミズバイク(NAMI'S BIKE)のセンスが融合してええ感じ。古臭い(俺たちが愛する)オサム色はほどよく薄れ、アップデートを繰り返しながらサムズバイクは確実に進化している。