Holoholo Diary 555blog

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田起こし。2021年の田んぼ始まる

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田起こし

2021年2月27日。晴天。冷たい北風が肌を刺す朝。

田んぼに着くと嘘のように風はなし。谷戸の地形が風を遮る。

2021年の田んぼの作業が本格的に始まった。田起こしは三本クワと剣先スコップで。機械の動力には頼らない。人力による昔スタイルの野良仕事である。

鍬(クワ)とスコップの田起こし労働は「なんちゃってな農民」の僕らにはけっこう過酷だが楽しい。楽しい気持ちになるのは自分の遺伝子にある生き物の自然回帰本能に刺激を与えてくれるからなのかもしれない。そんなことを思いながら、クワにこびりついた粘土のような土を落とすのに苦労しては、また田んぼにクワを入れるという作業を延々と繰り返す。頭の中は完全に『無』になり、やがて『田起こしハイ』に陥る。そんなわけだから、毎年、田起こしはついつい頑張りすぎちゃってカラダがボロボロになってしまうのだ。もちろん今年も。

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©2021 YUMIKO TANAKA

僕らの田んぼ作業はいつもだいたい午前中の2~3時間。作用が終わって、お昼を食べて解散となる。

この日の田起こしに集まったメンバーは11人。2年前の2019年の田起こしのときは確か3人だった。一日ではとても終わらずに、身も心もヘトヘトになったことを思うと、11人で半日の作業で田起こしが無事に終わったことに心底ほっとした。楽しいはずの田起こしが苦行だった2年前のトラウマをこれで克服できた。よかった。

田んぼの仲間。生物多様性

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田んぼの土の中に潜んでいたアメリカザリガニ

田起こしでは田んぼの仲間と遭遇することもある。田んぼに水が入る春までの秋から冬の時期を湿った土の中でじっと待っているどじょうやザリガニたちだ。

クワで掘り起こした土のに小さなアメリカザリガニがいた。田んぼのメンバーたちがスマホやカメラを持って集まってきてひととおりの記念撮影が終わると、ザリガニ君を水分の多い土の中に返した。無農薬無肥料で育てる谷戸の水田にはたくさんの野生生物や野生昆虫にお目にかかることができる。普段は生活に追われる僕も、ここでは身をもって生物多様性を実感できる。

年々、緑や自然が減っていく東京世田谷から自転車で1時間の谷戸の田んぼだが、この場所の実践田んぼ生活がなければ、食の安全も生物の多様性も流行りのサステイナブル(持続可能な地球環境)な生活もピンとこなかったかもしれない。

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無農薬無肥料栽培の米づくり

野良仕事を終えて

たかが半日、3時間ほどの野良仕事を終え帰宅。田靴やらグローブやらを洗濯してほっと一息つく。心地よい疲労に包まれて、風呂の入って早々に寝る。すぐ朝が来て、翌日からお決まりの筋肉痛が全身を襲った。田起こしの疲労と多少の運動不足解消の筋肉痛を1週間ほど楽しむ。

田んぼ作業があった1週間はだいたいこうなのだ。